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デザインの耐用年数ということ
こんにちは
企画設計部です。
早速質問ですが、今まで観た映画のなかで、一番古いものはなんでしょうか。
デザインの世界における耐用年数について、街を歩きながらふと思うことがありました。
2世代(おおよそ50年)くらいが、デザインの影響が続く期間だろうかと。
時代の流れや感性の変化、技術の進歩などを考慮しながら、デザインがいかに長く魅力を保ち続けるか、興味深いテーマです。
その一方で、時代によって価値観や評価が変わるものもあると感じます。
少し前の話題を振り返れば、松本人志の審査員騒動が記憶に新しいです。
芸人たちが彼に対する憧れを口にする一方で、若い世代からはその熱狂が薄れつつあるように感じます。
現に私の周りでも、「なにがそんなに評価されているかわからない」という声がしばしば聞こえてきます。
その話題の発端となった40歳になるその芸人が、今では存在感を示す一方、彼の時代にどれだけの影響があったのか、
後から生まれた私たちには理解しきれない部分もあるのかもしれませんが、余波を感じることはできます。
そして、熱狂していた世代が語り継げる範囲が耐用年数ではというのが、仮説です。
音楽の事例を振り返ってみても、The Beatlesの音楽が50年以上経った今でもなお多くの人に支持されていますが、親の世代の影響が大きいように感じます。
建築においても、時代の変遷が建物の寿命や評価に影響を及ぼします。コルビュジエの作品は当時、まさに建築界に革命をもたらし、その後の設計に大きな影響を与えました。
しかし、今ではそのスタイルやアイディアが当たり前のように感じられることもあります。これは松本人志についても同じことなのかもしれません。
建築の耐用年数が法律によって定められる一方で、構造的に耐えれる年数は別です。そういった意味で「耐用年数」という言葉を転用して見ています。
「本質」や「革命」といった言葉が、デザインや芸術、建築に関わる議論でしばしば登場します。
一つの革新が、後の世代にとっては当たり前になることは珍しくありません。
しかし、その革命の背景や意図、当時の状況を知ることなくして、その真の価値を正しく評価するのは難しいかもしれません。
だからこそ、過去の遺産を尊重し、未来へと繋げていくためには、歴史や背景を学び続ける姿勢が大切なのかもしれません。
私自身、デザインや建築における持続可能性や価値観の変化について、常に考えることがあります。
時代を超えて愛されるデザインやアイディアを生み出すことは容易なことではありませんが、先人たちの努力と知恵を尊重し、新たな時代に適応させていくことが大切なのだろうと感じます。
建築もデザインも、単なる形や機能だけでなく、その背後にあるストーリーや意図を理解することで、より深い意味を見出すことができるのかもしれません。
これからも、古くないデザインや建築が、未来にも輝き続けるためには、その本質を見つめ直し、
新たな価値を発見していく努力が欠かせさず、長く愛される住宅をもがきながら模索してくのだと思う今日この頃でした。